モバイトドットコム

「日雇い労働者」と「企業」と「グッドウィル」…需要と供給のバランス

日雇い派遣最大手のグッドウィルが徐々に営業を再開しつつあります。同社のアルバイト登録サイト「モバイルドットコム」のトップページをはじめ、他のグッドウィルグループ関連の複数の派遣サイトには、「労働者派遣事業改善命令に基づく取り組み及び一部事業所の事業再開に関するお知らせ」が掲載されています(右画像はモバイトドットコムより)。約290万人がスタッフ登録をし、1日に約3万4000人を派遣していたグッドウィル。グッドウィルには問題が多い一方で、その日暮らしの日雇い労働者にとっては、生活に困る事態が発生していました。

民主党は日雇い派遣原則禁止の法案を国会に提出する方針を明らかにしましたが、仮に日雇い派遣を禁止した場合、仕事がない生活に困る労働者が多くいるはずです。全ての労働者を救済するのは不可能でしょう。この種の問題は、「格差社会と呼ばれない」社会を作りださなければ、根本的な解決はできないでしょう。もちろん、非正規雇用のセーフティネットはしっかり作る必要がありますが、資本主義の競争社会において、どんな企業側もできるだけコストを下げて、利益を出さなければならないのが現実です。

ワタミ社長の渡邉美樹氏が「企業は(ニートやフリーターの)救済機関ではない」という発言をしていますが、この格差社会で生き残るには、「したたかさ」「賢明さ」が必要だと個人的には考えます。国や企業、誰かに頼っていては、路頭に迷う可能性があるのです。自分の身は自分で守り、リスクを回避する対策を常に考えておく必要があるのです。

モバイトドットコムのサイトに既に多くの求人が掲載されているところを見ると、求人を載せる中小企業もグッドウィルの営業再開を望んでいたようにも思えます。不満はあれ仕事を求める日雇い労働者と安価な労働力を求める中小企業。どちらもグッドウィルを必要としているのが現実でもあります。統廃合はされるとはいえ、依然として全国に営業支店が多いのがグッドウィルの強み。企業が安価な労働力を求める限り、少なくとも人材派遣業界は拡大し続けるでしょう。

週刊連載第2回「グッドウィル営業再開にあたり思うこと」(完)