派遣社員生涯賃金

非正規雇用の生涯賃金は男性が0.99億円、女性は0.82億円

派遣、契約社員など生涯非正規社員だった場合、男性が0.99億円、女性は0.82億円です。正社員の生涯賃金が2.32億円(男性)、1.78億円(女性)なので、非正規社員は1.33億円(男性)、0.97億円(女性)の差が正社員とつきます。つまり、男女共に正社員と非正規社員では、1億円の差がつくということです。ただ、パート、アルバイトより派遣社員は年収は良いので、参考程度にお考え下さい。
※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2006年)により、みずほ総合研究所作成

さて、昨今では派遣というと、「二重派遣」「偽装請負」「派遣業禁止業務への派遣」などが問題になり、派遣社員の実稼動者数の伸びが鈍化していますが、派遣社員に対する法的整備がある程度整えば、再び派遣社員の数は加速度を増す可能性は十分にあります。

さらに、リクルートスタッフィングを運営するリクルートが、07年12月末に業界最大手のスタッフ・サービスを1700億円で買収し、6位のリクルートが一気に業界トップに躍り出たのです。1700億円というと、業界3位のパソナ・グループ(340億円)と4位のテンプ・スタッフ(780億円)を買収しても、お釣りがくる金額です。リクルートがスタッフ・サービスへの買収に賭ける意気込みが伝わります。結果、リクル−ト・スタッフサービス連合の売上高は約5300億円となり、シェアは14%と2位を大きく引き離す結果となりました。この買収劇こそ、今後の派遣市場の拡大を予見するものともいえそうです。既に派遣市場は10兆円を超えています。

派遣労働者は300万人超える

写真 働き方が多様化している昨今ですが、3人に1人が非正規社員(1700万人)です。その中で、派遣労働者数は300万人を超え、増加し続けています。また、「正社員VS派遣社員」という構図で描かれますが、一概にどちらが良くて悪いかというのは言えないでしょう。正社員、派遣社員それぞれにメリット・デメリットがあるわけです。

生活の安定、生涯賃金を重視するなら、正社員を目指すのが無難という選択肢はもっともです。一方で、一つの会社に縛られたくない、複数の会社を渡り歩き、特定のスキルを修得したいならば、派遣社員という選択肢もあるでしょう。時給では、システム開発などのIT系が最も高く2059円(エン・ジャパン調べ)。また、IT系、技術者は紹介予定派遣の求人も多く、正社員になったときの年収も高額です。

「正社員になったからもう安心」「派遣社員だからこの先不安だ」と思うだけではなく、正社員であろうと、派遣社員であろうと、その仕事で、その職場で全力を尽くすことのほうが重要です。人生、何が転機となるかは、誰にも分かりません。派遣先の企業で、努力や成果が認められ、大きな成功につながることがあるかもしれません。やってみなければ分からない、努力を続けて手にすることができるチャンスもあるわけです。悲観的になりすぎて、何もしないのは良くありません。

派遣スタッフ実稼動者数は約35万人

写真 派遣スタッフ実稼動者数は約35万人で、03年から07年までの対前年比伸び率の推移は、7%⇒12%⇒10%⇒8%⇒約4%と実稼動者数の伸びは落ち込んでいますが、増加し続けていることも確かです。派遣社員に対する社会保障の面での待遇改善が進めば、登録者数自体は300万人を超えているので、派遣社員の実稼動者数は増加すると思われます。

生涯非正規社員(週40時間)の年金月額は男性10.3万円、女性は11.0万円

写真 生涯正社員の年金は男性17.0万円、女性14.6万円ですから、非正規雇用の場合、生涯正社員より、男性6万円、女性4.3万円低いことになります。
また、週25時間労働の非正規雇用の場合は男性6.6万円、女性6.6万円ですが、第1号被保険者期間が未納だった場合は、年金月額が0円になります。

※男女別、年齢階級別、勤続年数別、一般労働者・短時間労働者別の平均賃金から生涯賃金を計算。年金月額は2008年度時点の給付水準で算出。週25時間労働の非正規社員は国民年金のみ加入(第1号被保険者)、その他は厚生年金に加入とした。
※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2006年)により、みずほ総合研究所作成